令和4年度(2022年度)表展出品作品のご紹介

令和4年度第49回表装美術展 / 第24回全国表装作品展

第49回表装美術展開催にあたり、昨年、四代目(秀行)が兵庫県技能顕功賞を受賞した記念に、兵庫県知事斎藤元彦氏に書いて頂いた「躍動兵庫」を本袋表具に表装させていただきました。

公務にお忙しい中、無理に時間を作っていただきましたので、当初のお約束から1ヶ月遅れとなりましたが、9月13日の夕方に本紙を受け取ることができました。

お昼に書き上げたとのことでしたので、墨の定着まで2～3日待ちたかったのですが、搬入まで10日しかなく、しかも台風も接近中だったので、滲み止めのスプレーをかけ、ギリギリのスケジュールで仕上げることになってしまいました。うちの店は全て手作業なので、正直つらかったですがいい経験をさせていただきました。

兵庫県技能顕功賞受賞者の作品としては、出来栄えが今一つと言ったところですが、間に合って良かったと言うのが正直な感想です。

第49回表装美術展開催にあたり、宝塚市長山﨑晴恵氏に書いて頂いた「天に星地に花人に愛」を創作袋表具に仕立てました。

宝塚市の市花は「スミレ」が有名ですが、2021年3月より第二の市花として西谷地区で生産されている「ダリア」が選定されました。それを記念して、裂象嵌でスミレとダリアをあしらい、「花」を境に裂の色を切り替えてみました。

初日の午後に山﨑市長がご来場くださり、作品を直接ご覧いただくことができました。他市の市長の作品とは趣の異なる仕立ての掛軸でしたが、気に入ってくださったようで良かったです。

今年度も一般出展作品の全てを対象とした競技会が開催されました。

来場者の皆さんにはお気に入りの作品を投票していただき、組合員には技術的な観点からプロの目による相互評価で投票してもらい、その得票数の合計で競います。

残念ながら今年度は入賞を逃しましたが、3作品ともに来場者の皆さんからの票をいただくことができ感謝しております。

臨済宗妙心寺派大本山正法山妙心寺元管長山田無文老師の「福」をお茶掛けに仕立てました。

あえて「寿」(作品番号:34)と対幅に仕立てず、独立したお茶掛けにしています。

臨済宗妙心寺派大本山正法山妙心寺元管長山田無文老師の「寿」をお茶掛けに仕立てました。

あえて「福」(作品番号:33)と対幅に仕立てず、独立したお茶掛けにしています。

全表連大会の記念にいただいた本紙です。

書かれている「匠の技糊と刷毛極みなり」の言葉に恥じないよう、基本に忠実に大和表具(三段表装)で仕立てました。

皆さんから「匠」と呼ばれるよう今後も精進を続けます。

今年度は表装美術展に併せて全国表具経師内装組合連合会の全国表装作品展が開催され、全国より40作品の展示が行われました。

兵庫県からは全表連副会長の三代目(潔)の作品と、第48回表装美術展の入賞作品から3点が出品されることになり、その中に四代目(秀行)の作品が選ばれました。

店にあった古い掛軸を全国展に合わせて仕立て直しました。

濱文様さんの絵てぬぐい「白雪オコジョ」を掛軸に仕立てました。雪の結晶と雪だるまは染め抜きではなく裂象嵌で入れています。