仕事の概要

大切にされていた掛軸の紐が切れ、本紙(絹本)が破れてしまったので修理できないかとのお問い合わせをいただきました。

思い入れのある掛軸なので、できる限り今の雰囲気を残しつつ、傷んだところをきっちりと直して長く鑑賞できるようにしたいというご希望でしたので、仕上り寸法は変えず、本紙の破れや折れ傷を補強し、周りの裂は現在と同系統の色で仕立て、軸先は再利用することになりました。

お客様の声

兵庫県宝塚市のF様からいただいた「お客様の声」です。

今回、お仕事を御依頼いただくきっかけになったできごとは何ですか？

以前から掛軸のいたみが気になっていたが、吊っていた紐が切れ軸が落ち、一部破損したため

どこで当店をお知りになりましたか？

ホームページ

他に比較されたお店や広告などがありましたらお教えいただけますか？

なるべく近所のお店と思い探し、他に一軒あったのですが、電話連絡などはしなかったです

当店をお選びいただいた決め手は何ですか？

ホームページを見て、安心しておまかせできると思ったからです

実際に当店をご利用いただいた御感想をお聞かせください。

店頭での裂選びも、的確なアドバイスを頂きながら、時間をかけて頂き納得できるものでした
そして、出来上がりも美しく、色あいもなじんでバランスよく、満足しております
お二人のお人柄も仄々(ほのぼの)として、お話していて心地よいものでした
自宅でカード払いできたことも高評価です

四代目店主より

ご希望に副った仕上りにするためには、お客様との打合せの時間が非常に大切です。時間をかけてお話を伺い、十分に納得していただいた上で作業にかかるよう、常に心がけておりますので、ご満足いただけたとのお声は今後の励みになります。

常に風鎮(ふうちん)を掛けて鑑賞されていた掛軸でしたので、負荷がかかり軸紐(掛け緒)が切れてしまったようです。また、常に風にあたっていましたので、本紙(絹本)や裂(正絹)の風化が進み、このタイミングを逃すと仕立直しの作業に耐えられない状態になるところでした。

裏打ちの紙を剥がすために、まずは本紙の剥落止めと補強のための表打ちをしてから作業にかかりました。古い肌裏をめくり、同じ色の肌裏紙を用いて裏打ちをしました。(今回は欠損部分が大きくなかったので、補絹はしていません)

増し裏を打った後、細く切った美濃紙の帯を折れ傷に貼って補強する折れ伏せを入れて、本紙の修復は終えました。

裂は、お客様に実際に手に取ってお選びいただいた正絹を使って仕立てました。

総裏を打って乾燥させた後、本紙の欠損部分を少し補彩し、表掛けをして再び乾燥させて仕上げました。ただ、その乾燥作業の進み具合で納品がお約束より数日遅れてしまいましたことをお詫びいたします。

納品時のお支払いでクレジットカードが使えることもご評価いただきありがとうございます。今後もお客様のご要望にお応えできるよう、新しいサービスも取り入れていきたいと思います。

このたびは、宏精堂家門表具店をお選びいただき、誠にありがとうございました。

各種クレジットカードがご利用いただけます