宏精堂 家門表具店

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屛風いろいろ:仕立直し

次世代へ伝える思い

仕立直し:二曲屛風

二曲屛風 (修復前・修復後)

昭和初期に制作された二曲屛風(にきょくびょうぶ)修復のご依頼をお受けしました。本紙はお客様が13歳の時に書かれた書作品で、大阪市の書道コンクールで最優秀賞を受賞された記念に屛風に仕立てたものだそうです。

当時は支那事変勃発直後で物資が不足し始める前でしたから、使われている材料もしっかりしており、骨下地には全く問題がありませんから、今しっかりと直しておけば、扱い方によってはこれから50年~100年は持たせることが可能です。(もちろん適切なタイミングで修理や仕立て直しを行なえば、世代を超えて、それこそ何百年という単位で伝えて行くことができます)

制作当時と同等以上のしっかりした材料を使って下貼りと紙蝶番を新しくした下地に、本銀箔を押した鳥の子を揉み紙にして張り、破れを直して洗いをかけた本紙を張り付け、綺麗によみがえらせることができました。(本紙を際立たせるアクセントとして、今回は本紙の周りに細い筋を入れています)

思い出の書作品をお預かりしての作業でしたが、お客様ご自身や、ご家族の皆さんに気に入っていただけて良かったです。