表具師の仕事
表具師とは

みなさんは『表具師』という仕事をご存知ですか? 関東では『経師』と呼ばれる事も多いのですが、『ふすま屋』という呼び名の方が一般的かもしれません。
厳密に言うと、『表具師』『経師』『ふすま屋』では仕事の守備範囲が微妙に違いますが、最近はかなり曖昧になってきています。大雑把に言うと、紙・布・糊を使用して、掛物・巻物・書画帖・屛風・襖などを作るのが仕事の職人と言ったところでしょうか。
本来は、掛軸などを作る『裱褙師』、巻物などを作る『経師』、襖・屛風などを作る『唐紙師』の総称が『表具師』で、『ふすま屋』と言うのは『唐紙師』の中でも襖を専門に作る職人のことを示す呼称です。
最近は壁装もビニールクロスが一般的になってきたので、専門の内装業者(クロス屋さん)が増えてきましたが、本来は『表具師』の守備範囲で、茶室の壁装(腰張りなど)のような紙を張る仕事は現在でも主に我々『表具師』が担当しています。
ちなみに試験内容は違いますが、壁装の技能検定は「表装技能士(壁装作業)」で、合格者には表具作業合格者と同じく『表装技能士』の称号が与えられます。