障子について ( 商品情報・お手入れの方法など )


障子とは ( 歴史を紐解くと )

障子

襖について』のページでも述べましたが、広い意味での『障子』とは物の隔てに立てて遠望を妨げる建具衝立類の全てを指します。

『障子』という言葉が日本の書物に初めて登場するのは、なんと『日本書紀』だと言うから驚きです。もっとも、その頃の障子は現在の『衝立(ついたて)』の事で、現在の襖・障子にあたる『遣戸障子(やりどしょうじ)』が生まれたのは、もう少し後の時代だそうです。

現在、一般的に『障子』と呼ばれるものは、『遣戸障子』の骨の片面に薄い白紙を一枚だけ張って風を防ぎ、同時に室内に明かりを引く事を主な目的としたもので、特に『明障子(あかりしょうじ)』と呼ばれます。『遣戸障子』に唐紙(からかみ)が使われるようになったのは平安時代の終わりから鎌倉時代で、それ以前は絹張りだったようですから、その頃に『紙障子(かみしょうじ)』(『明障子』の別名)という呼び名も生まれたのでしょう。

『紙障子』『唐紙障子』が誕生して、『障子』は皇族や上流貴族だけのものではなくなり、広く普及するようになりました。(と言っても、庶民に普及するにはもう少し時間がかかったようです)

初期の頃の『明障子』は『腰高障子(こしだかしょうじ)』で、屈んだ時に外から人影が見えないよう、障子の下半分くらいに腰板を張ったものが主流でした。この腰板が低くなったのは、古田織部(1544~1615)の好みからと言われています。(茶人が表具に与えた影響はこの他にも様々なところで見られます)

(以下、少しずつ更新して行きます)


障子紙の種類 ( 一般的な分類 )

製法や用途、原材料の含有率などにより、障子紙もいろいろな種類に分類されます。

手漉き和紙【てすきわし】

楮紙【こうぞし】
石州半紙

天然繊維である楮を主原料に、職人さんが1枚1枚手作業で漉き上げた高級和紙です。

特に、ユネスコの無形文化遺産に登録されている石州和紙や、平成26年に追加登録が決まった本美濃紙細川紙は、天然繊維である楮のみで漉かれる和紙で、障子紙の最高級品です。

もちろん、原材料として楮を40%以上含むものは規格上「楮障子紙」と呼べるので、一口に楮紙と言っても品質と価格には幅がありますが、全て昔ながらの伝統の技で手間暇かけて作られています。原材料である長繊維の楮を吟味して使っているため、風合も丈夫さも抜群ですし、特に、漂白をせずに材料の段階で色味をそろえて漉く「未晒(みさらし)」の紙には独特の風合いがあります。

未晒の楮紙は、部屋の湿度の吸収発散を繰り返す中で日光の紫外線を浴びて数年かけて白くなり、その後、少しずつ茶色く焼けてきます。その変化にも味があり、破れることがなければ、5年から10年の間、フィルター効果を維持できる長寿命なところも特徴の一つです。

当店では楮の含有率や産地の違う複数の楮紙を扱っています。

楮入り和紙【こうぞいりわし】

楮の含有率が20%以上40%未満の手漉き和紙です。

パルプなどの短繊維の原材料を多く含むものは、強度や風合いが楮紙よりも劣りますが、長繊維としてレーヨン(人絹)などの植物系再生繊維を加えたものは、手漉き独特の繊維の絡み具合も健在で、伝統の技と天然素材の風合いを生かした本物の和紙と言えます。

化学繊維を含むものもありますが、当店では「本物の紙」にこだわり、天然繊維および植物系再生繊維を含んだ物のみを扱っています。

手漉き和紙は量産度も低くコストもかかります。そのうえ生産には、紙漉きの技術だけでなく木枠の作成にも高度な技術を要することから後継者が不足しており、技術の伝承が危ぶまれている地域もあります。また、原材料となる高品質の楮も減ってきていることも大きな問題になっています。

張替えにかかるお値段は決してお安いものではありませんが、もし破ってしまうリスクがないのであれば、耐久性も高く張替え周期も長いので、意外とお得なのも事実です。
一度、紙見本を手に取って、機械漉の障子紙との違いを実感してみてください。

機械漉き和紙【きかいすきわし】

楮障子紙【こうぞしょうじがみ】

原材料の楮を60%以上含み、天然繊維のマニラ麻とパルプを加えて漉いた機械漉き障子紙で、技術の進歩により手漉きに近い風合いに仕上がった「本物の紙」と呼べる最高級品です。

強度もあるので、張替え周期は5年が目安です。

強力障子紙【きょうりょくしょうじがみ】

一般に「破れにくい障子紙」と呼ばれているものの内で、樹脂シートやプラスチックを使った強化和紙ではなく、長繊維の化学繊維植物系再生繊維を主原料にした機械漉きの障子紙です。

製法は他の機械漉きの障子紙と同じですから通気性もあり、吸湿発散によるフィルター効果も高いです。ただし、主原料に含まれる化学繊維は静電気が起きやすく、特に開け閉めの多い場所では早く黒くなりやすいという弱点があります。

強度があって破れにくいので、ついつい張替え時期を逃してしまいがちですが、汚れるとフィルター効果が弱くなりますので、破れていなくてもできれば毎年、長くても3年周期での張替がお勧めです。

樹脂シートやプラスチックを紙の繊維でコーティングしたものや、極薄の紙を樹脂シートで挟んだ強化和紙は「本物の紙」とは違い呼吸しません
もちろん、お客様からの御注文があれば商品説明を行い御納得いただいた上で施工いたしますが、当店では基本的に強化和紙ではなく強力障子紙をお勧めしています。

レーヨン障子紙【れーよんしょうじがみ】

植物系再生繊維ではありますが、光沢や強度が楮に似た長繊維のレーヨン(人絹)を40%以上含む実用的な機械漉きの障子紙です。

適度な厚みがあり、吸湿発散による伸縮が少ないのが特徴で、フィルター効果も高レベルで維持します。

ただし、天然素材100%ではありませんので、開け閉めによる静電気が起きやすい場所ではホコリを吸って汚れやすくなります。汚れるとフィルター効果も薄れますから、張替え周期の目安は1~3年がお勧めです。

麻入り障子紙【あさいりしょうじがみ】

主原料は短繊維のパルプですが、長繊維のマニラ麻を20%程度含み、植物系再生繊維のレーヨン、化学繊維のナイロンなどを長繊維原料として30%程度含んだ機械漉きの普及紙(混抄障子紙)です。

もちろん手漉きには及びませんが、紙も厚手で風合いも良く、紫外線による劣化速度も遅いです。ただ、化繊含有率が高い分、静電気でホコリを吸って汚れやすくなり、汚れると劣化速度が速くなります。また、汚れるとフィルター効果も薄れますから、張替え周期の目安は1~2年がお勧めです。

当店で取り扱っている最も安価な障子紙です。

パルプ障子紙【ぱるぷしょうじがみ】

パルプを80%以上含む機械漉の量産紙です。繊維が短く、紫外線による劣化速度も速いので、薄手のものは1年程度で吸湿発散による紙の伸縮にも耐えられなくなります。

環境によっては1年も経たないうちに破れやすくなってしまいますので、基本的には、毎年の張替が前提の紙です。

当店ではこのクラスの障子紙の取り扱いはございません。
(このクラスの紙を普通紙として激安価格で扱っているところもありますのでご注意ください)


張替え・新調の価格 ( 価格だけでは見えない価値 )

(社)全国技能士会連合会登録技能士製作証明書

障子の張替えや新調の価格は、お店によって異なります。当店はサイト上に価格を掲示していませんし、新聞広告や折込チラシで「激安」価格を謳っている業者さんに比べると、もしかしたら高いのではと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか? でも実際はそんなことないんですよ。実際に障子紙の見本を手に取って御覧いただき、紙の長所や短所を含めた特質および施工方法について説明させていただければ、価格面でもきっと御納得いただけるものと確信しています。

価格を掲載すると、その数字だけが独り歩きしてしまいがちですが、使用する紙の種類によって値段は異なります。例えば、激安価格のチラシに掲載されていることが多い「パルプ障子紙」は、「障子紙の種類」の中でも書きましたが、障子紙の中では最も廉価で、繊維の短いパルプを80%以上含む機械漉の量産紙です。特に薄手のものは、紫外線による劣化速度も速いので、1年程度で吸湿発散による紙の伸縮にも耐えられなくなり、環境によっては非常に破れやすくなってしまいます。このように、品質について保証ができませんから、当店ではこのクラスの障子紙は扱っていません。(激安チラシ業者に実際に見積もりを頼むと、当店が扱っている「麻入り障子紙」へのランクアップを勧められることも多いようです)

見た目は同じような障子紙でも、使われている原材料の種類や比率によって耐久性や価格も大きく変わります。また、障子の最大の特長である呼吸による調湿フィルター効果の持続性は、素材によって大きく左右されます。さらに、障子紙を張る糊も化学系のものは長い目で見ると障子の棧を傷めてしまいますし、両面テープは論外です。また天然素材の糊を使う場合でも、濃過ぎると棧を傷めますし、薄過ぎると木の灰汁を吸い出してせっかく張った紙を変色させてしまいます。

障子を長期にわたり綺麗に保つには、紙の材質や使用する糊の重要性が非常に高いですから、材料の種類やその特性を見極めて施工する技術と経験が必要です。価格だけでは見えない価値を知っていただくためにも、是非一度、当店にお問い合わせ下さい。

激安チラシの中には「パルプ障子紙」の張替定価を高めに設定し、信じられないくらいの割引率を謳っている悪質な業者があったり、実際に注文すると、広告などに掲載されている価格の他にも隠れた費用がかかる場合もあるようです。表示価格だけではわからないこともありますので、トラブルを避けるためにも、なるべく複数のお店で商品説明をお受けになったうえで見積もりを取られることお勧めします。


営業案内 ( 取扱商品・ご注文から納品までの流れなど )

取扱商品等

  • 障子 (しょうじ)雪見障子 (ゆきみしょうじ)
    張替え
    新調
    建て付け・滑りの調整
    ガラスの交換
    障子紙の見本を多数取り揃えております。お好みのものをお選び下さい。
    一枚のみの張替えもいたします。お気軽にお申し付け下さい。
  • ランプシェード など
    張替え
    修理
    和紙を張った和室の照明や、提灯、和傘など、お好みに合わせてアレンジいたします。
    まずはお気軽にご相談ください。

御見積もりは無料で承っております。お気軽にお尋ね下さい。

張替え、修理のご依頼から納品までの流れ

障子 (しょうじ) の張替えの場合

  1. お電話 / メール / FAX によるお問い合わせ

    TEL: 0797-85-1337 FAX: 0797-84-6107
    E-mail: info@kouseidou.jp

    • ご住所、お名前、張替え枚数、ご希望の納品日、ご予算などをお知らせください。
      ご相談の上、ご訪問日(お引き取り日)を決定いたします。

    ご相談、お見積りのみのご依頼も無料で承っております。お気軽にどうぞ!

    お問い合わせフォーム

  2. お引取り (初回訪問)
    • 障子の紙見本をお持ちいたしますので、実際に手に取って紙質や柄をお選びいただけます。
    • 豊富な商品知識で、お客様のご希望に沿った紙をご提案させていただきます。
    • 詳細な見積もりと納期についてご説明いたします。

    ※その場でお決めいただかなくても結構ですのでゆっくりとお考えください。
    この段階でお断りいただいても料金は発生しませんのでご安心下さい。

    • お客様にご納得いただいたうえで、障子を持ち帰らせていただきます。
  3. 納品(再訪問)
    • 張替え、修理を終えた障子を、建て付け・滑りの調整等を行い、元の位置に取り付けます。

    ※当店では、配達料・取付料・調整料の類は一切いただいておりませんのでご安心下さい。

    納期の目安:
    障子:半日 (例:午前中のお引き取り→夕方のお届け) から

    ※納期は当店にお寄せいただくほとんどのご注文について当てはまる例ですが、
    枚数、時期により、多少変動いたします。
    実際の納期につきましてはご注文をいただいた際にご相談の上、お知らせいたします。

  4. お支払
    • お支払いは納品時に現金、または後日1週間以内に銀行振込にてお願いいたします。

    恐れ入りますが、銀行振込の際のお振込み手数料のみ、お客様のご負担をお願い申し上げます。


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宏精堂 家門表具店

ご注文から納品まで

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