襖について ( 商品情報・お手入れの方法など )


襖のこと ( 歴史を紐解くと )

襖

『襖』と書いて『ふすま』と読みます。

語源については「(ふすま):寝具・布団」に似ているからとか、「伏す間(ふすま):寝間」に立てるからとか、諸説が有るようですが、別名を「寝間障子」とも言うので、おそらく後者の説だと私は思います。

正しくは『襖障子(ふすましょうじ)』『唐紙障子(からかみしょうじ)』と言う名称らしいですが、『襖』なのに『障子』ってへんですよね。でもそれは、時代と共に生活様式が変化して、名称が変わってきたという証拠でしょう。次の『障子について』のページでも詳しく述べますが、物の隔てに立てて遠望を妨げる建具衝立類の総称が『障子』であり、皆さんが一般的に思い浮かべる『障子』は、正しくは『明障子(あかりしょうじ)』と言います。

一般的な『襖』と『障子』の中間に茶室の勝手口などに使われる『太鼓張り(たいこばり)』と呼ばれる襖障子があります。三者の違いは光の透過度で、白紙一枚を片面に張って光を通すものが『障子』、白紙を両面から張り光を少し通すものが『太鼓張り』、両面に紙を厚く張り全く光を通さないものが『襖』となります。


襖の種類 ( 一般的な分類 )

用途や素材など、いろいろな分類方法がありますが、ここでは下地の種類による分類を紹介します。

組子襖【くみこぶすま】

和襖【わぶすま】

伝統的な構造でつくられた襖の呼称です。本襖(ほんぶすま)とも呼ばれます。

格子状に組まれた下地骨に下貼りをして仕上げた襖のことで、一般に襖といえばこれを指します。

チップボール襖【ちっぷぼーるぶすま】

襖骨の組子の上に下貼りの代わりにチップボール紙を貼り、工程を簡略化した襖です。

ペーパーコア襖【ぺーぱーこあぶすま】

襖骨の組子の数を減らし、間にペーパーハニカムコア(蜂の巣状の紙)を用いた襖です。

単板襖【たんばんぶすま】

襖骨の組子の上に1ミリ前後の薄い板を貼り、下貼りの工程を簡略化した襖です。
(主に中部地方で見られる襖で、関西では中部東海地方の工務店が建てる家以外では殆ど用いられることがありません。)

板襖【いたぶすま】

簡単に組んだ組子の上に下貼りの代わりに厚めの合板(べニヤ)を貼った襖です。

最近は片面に襖紙、片面に壁紙などを貼った「戸襖」も多くなっています。

組子襖は、量産度は低くコストもかかりますが、一般に強度があり耐久性にも優れています。

また、上貼りの自由度も高く張り替えにも適しています。

当店が新調で扱っている襖は、和襖とチップボール襖です。(張り替えは組子襖全般を扱っています。)

量産襖【りょうさんぶすま】

発泡プラスチック襖【はっぽうぷらすちっくぶすま】

典型的な量産襖。発泡スチロールなどを芯材に使った構造の襖です。

ダンボール襖【だんぼーるぶすま】

発泡プラスチック襖とともに典型的な量産襖で、3~5層程度に重ねたダンボールを芯材に使った構造の襖です。

量産襖は、軽量でコストも低いですが上貼りの自由度は高くありません。

また、縁を接着剤で留めているためはずすことができず、反りやねじれに弱いため、張り替えには適しません。(アルミ製の縁を使っているものもあります。)

さらに、張り替えはベタ貼りでしか貼れませんので、張り替え前の汚れやシミが浮き出てくる虞があります。

当店では、襖の状態を見させていただき、上記の内容を御納得いただいた上で、発泡プラスチック襖のみ、両面同時の張り替えを行う場合があります。(片面のみの張り替えでは反りやねじれが起こります。)


和襖の作り方 ( 骨下地から仕上げまで )

和襖の作り方

ここでは和襖の作り方を骨下地から仕上げまで順を追って紹介します。

和襖は、骨下地の選定から、下貼り建て合わせ中貼り上貼り仕上げまで、多くの時間と手間をかけて1枚1枚作り上げます。

  1. 骨下地【ほねしたじ】

    周囲の框(かまち)と中子(なかこ)で障子(しょうじ)のように組んだ木製の骨地。

    一般的な大きさの襖で、中子の数は 縦3本 横11本 が標準です。

    この骨下地に下貼り(したばり)を施すことで本襖(ほんぶすま)の下地を作ります。

  2. 骨縛り【ほねしばり】

    下貼りの工程で第1段階の貼り方です。

    障子と同様に骨に濃い糊をつけ紙を貼ります。

    骨縛り用には、手漉き紙、茶チリ、桑チリなどの強い和紙を用います。

  3. 胴貼り【どうばり】

    下貼りの第2工程です。

    骨縛りをした後に行うもので、光線による襖の透けなどを防ぐために行います。

    打ち付け貼り(うちつけばり)、透き止め(すきどめ)とも言います。

  4. 蓑掛け【みのかけ】

    下貼りの中間の工程で、蓑のような重ね貼りとなるため蓑貼り(みのばり)とも言います。框の部分にだけ糊をつけて上へ上へと貼ります。

    2枚が重なるものを二遍貼り、3枚が重なるものを三遍貼りと言い、最高八遍貼りまであります。(もっと多く重ねることも可能です)

    蓑掛けに使う紙はそれほど上等なものは必要ないので、昔から反故(ほうぐ)という古い和紙(古文書や手紙、大福帳など)をつなぎ、裏返しにして使っていました。この反故、昔は紙が貴重だったから、要らなくなった紙を捨ててしまわずに裏返しにして襖の下張りに再利用したのでしょうが、今は古文書としての価値の方が高くなって、本物の反故を確保するのが難しくなっています。そこで、現在では代用反故として新しく漉かれた和紙を使う事が多くなってきました。

  5. 蓑押さえ【みのおさえ】

    下貼りの最終工程です。

    接着する全面に糊をつけ、蓑を押さえることから「べた貼り(べたばり)」とも言います。

    これで本襖の下地は完成です。

    この下地を持って現場に行き建て合わせ(たてあわせ)を行います。

  6. 耳梳き【みみすき】

    蓑押さえが済んだ段階で、現場で建て合わせ(たてあわせ)をし、その寸法に合わせて角を落とし、框を削った後、下貼り段差を調整するために行う工程です。

    耳梳きが終わると中貼り(なかばり)の工程です。

  7. 下浮け張り【したうけばり】

    浮け張り(うけばり)とは、紙の周囲にだけ糊をつけて貼る工程です。

    上貼りを浮かせた状態で柔らかく見せ、張り替えを容易にするために行います。

    内部は浮いた袋状になるので袋張り(ふくろばり)とも呼ばれます。

    1度目の浮け張りを下浮けまたは下袋(したふくろ)と言い、小判の和紙を棒接ぎ(ぼうつぎ)にして張ります。

  8. 上浮け張り【うわうけばり】

    2度目を浮け張りを上浮け(うわうけ)または上袋(うわぶくろ)と言います。

    上浮けには喰い裂き(くいさき)をした石州紙(せきしゅう)などを用います。

    上貼りの紙の材質によっては、縦に接いだ喰い裂きの跡が目立つものもあるので、場合によっては横にのみ接いだり、上浮けの上に全面に薄い糊をつけた紙を貼る清貼り(きよばり)を行ったりすることもあります。

    中貼りが終わると、いよいよ上貼り(うわばり)の工程です。

  9. 上貼り【うわばり】

    最後に表面に襖紙を貼る工程です。

    貼る材料はいろいろありますが、襖の場合は絹、麻、綿などの布や、「鳥の子(とりのこ)」をはじめとする和紙がほとんどです。

    下貼り・中貼りのあと仕上げとして美しく、皺がよらないように四辺を濃い糊で貼り、乾燥してピン張るように素材に応じた特殊な技術を駆使しています。

  10. 縁打ち【ふちうち】

    最終の仕上げ工程。縁を打って引き手(ひきて)を入れたら完成です。

上記の「襖の種類(組子襖)」で紹介した「チップボール襖」「ペーパーコア襖」「単板襖」は、下貼りの工程(1~5)を省略することで「和襖」と比較して手間とコストを抑えています。

ここで紹介した中貼りの工程(7~8)は二重浮けですが、茶塵紙で上袋のみを行う一重浮けや、上貼りの裏面に茶塵紙を貼って浮かせて貼る工法もあります。(以上を総称して「袋張り」と呼び、工法の違いは上貼りに使う襖紙の材質によって使い分けます)

また、当店では行っていませんが、中貼りの工程を全て省略し、襖紙の裏面全体に水を塗って紙を伸ばし、耳梳き(工程6)を終えた下地に直接貼る「水張り」という工法もあります。

なお、張替は上貼りと中貼りをはがして耳梳き(工程6)を終えた下地に戻し、中貼りからやり直しますので、中貼りのことを一般的に「下張り」と言う表具師さんも多いです。


新調・張替の価格 ( 価格だけでは見えない価値 )

(社)全国技能士会連合会登録技能士製作証明書

襖の新調や張替の価格は、お店によって異なります。新聞広告や折込チラシで「激安」価格を謳っている業者さんに比べると、もしかしたら高いのではと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか? でも実際はそんなことないんですよ。

例えば、激安価格のチラシに掲載されていることが多い「新鳥の子」という襖紙は、襖紙の中では最も廉価で、製紙・柄付けとも機械により一貫生産されているものです。また、「新鳥の子」の中でも紙の裏が茶色のものは「茶裏新鳥」と呼ばれ、下地の透けを防ぎ和紙の風合いを出すために行う中貼りの工程を省略して「水張り」で張れるものもあります。(激安チラシの中には「茶裏新鳥」の張替定価を高めに設定し、信じられないくらいの割引率を謳っている悪質な業者もあります)

同じ上貼りの襖紙を使っていても、使用する下貼り・中貼りの紙や、どのような工法を用いるかによって、耐久性や価格も変わります。例えば、下地に「ペーパーコア」を使って水張りしたものと、伝統的な工法の和襖では、手間もコストも異なるのはあきらかです。プロが見ると仕上がりにも違いがありますが、お客様にとっては両者を比較する機会もありませんし、比較する基準が張替前の襖でしょうから、両者ともに綺麗に仕上がっていれば、その時点で違いは分からないと思います。つまり、安く仕上げようと思えば、下張り(下貼り・中貼り)の部分でいくらでも手間とコストを下げられる訳です。

ただ、襖を長期にわたり綺麗に保つには、下張り(下貼り・中貼り)の重要性が非常に高いのも事実ですから、当店で新調に用いる下地は「和襖」か「チップボール襖」ですし、たとえ「茶裏新鳥」でも「水張り」は絶対に行っていません。

襖紙の種類やその特性、またお使いになる環境によって、それぞれに最適な工法があり、それを見極めて施工するには技術と経験が必要です。価格だけではわからないこともありますので、是非一度、お問い合わせ下さい。


営業案内 ( 取扱商品・ご注文から納品までの流れなど )

取扱商品等

  • (ふすま)戸襖 (とぶすま)
    新調
    張替え・下地の修理
    縁・引手の交換
    建て付け・滑りの調整
    柄・紙の見本を多数取り揃えております。お好みのものをお選び下さい。
    片面のみ、一枚のみの張替えもいたします。お気軽にお申し付け下さい。
    (反りやねじれに弱い量産襖は両面同時の張替えをお勧めします)
  • 太鼓襖 (たいこぶすま)坊主襖 (ぼうずふすま)
    新調
    張替え・下地の修理
    建て付け・滑りの調整
    各流派のお茶室のしつらえ、和室の書院、地袋、洋室の取り合いなど、お気軽にご相談ください。

御見積もりは無料で承っております。お気軽にお尋ね下さい。

張替え、修理のご依頼から納品までの流れ

(ふすま) の張替えの場合

  1. お電話 / メール / FAX によるお問い合わせ

    TEL: 0797-85-1337 FAX: 0797-84-6107
    E-mail: info@kouseidou.jp

    • ご住所、お名前、張替え枚数、ご希望の納品日、ご予算などをお知らせください。
      ご相談の上、ご訪問日(お見積りの日)を決定いたします。

    ご相談、お見積りのみのご依頼も無料で承っております。お気軽にどうぞ!

    お問い合わせフォーム

  2. お見積り (初回訪問)
    • 襖の見本帳をお持ちいたしますので、実際に手に取って紙質や柄をお選びいただけます。
    • 豊富な商品知識で、お客様のご希望に沿った紙をご提案させていただきます。
    • 詳細な見積りと納期についてご説明いたします。

    ※その場でお決めいただかなくても結構です。見本帳をお預けいたしますのでゆっくりとお考えください。
    この段階でお断りいただいても料金は発生しませんのでご安心下さい。

    • お見積りにご納得いただけましたらご連絡下さい。
      材料の発注を行います。

    ※お見積りにご納得いただけなかった場合でも御一報ください。
    お預けしている見本帳などがあれば引き取りにうかがいます。(もちろん費用は発生いたしません)

  3. お引き取り (再訪問)
    • 材料が揃い次第、お引き取りと納品の日時をご相談させていただき、お客様にご納得いただいたうえで、襖を持ち帰らせていただきます。

    ※当店に在庫のある材料での施工でしたら初回訪問時にお引き取りも可能です。

  4. 納品 (再々訪問)
    • 張替え、修理を終えた襖を、建て付け・滑りの調整等を行い、元の位置に取り付けます。

    ※当店では、配達料・取付料・調整料の類は一切いただいておりませんのでご安心下さい。

    納期の目安:
    襖 : 1日 (例:午前中のお引き取り→翌日の午前中のお届け)

    ※納期は当店にお寄せいただくほとんどのご注文について当てはまる例ですが、
    枚数、時期により、多少変動いたします。
    実際の納期につきましてはご注文をいただいた際にご相談の上、お知らせいたします。

  5. お支払
    • お支払いは納品時に現金、または後日1週間以内に銀行振込にてお願いいたします。

    恐れ入りますが、銀行振込の際のお振込み手数料のみ、お客様のご負担をお願い申し上げます。


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宏精堂 家門表具店

ご注文から納品まで

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