宏精堂 家門表具店

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屛風(びょうぶ)の種類

一般的な分類

屛風(びょうぶ)の1枚を「(せん)」と呼び、向かって右から第1扇、第2扇、第3扇と数えます。複数の扇をつないだ物を「(せき)」と呼び、これが屛風の基本です。また2隻で対を成す屛風を「一双(いっそう)」と数え、1隻を半双(はんそう)と呼ぶこともあります。一双の屛風では、向かって右側を「右隻(うせき)」、左側を「左隻(させき)」と呼びます。

六曲屛風【ろっきょくびょうぶ】

6扇を1隻につないでいる屛風を「六曲屛風(ろっきょくびょうぶ)」と言い、かつては最も一般的な屛風でした。特に、2隻で対を成すものを「六曲一双屛風(ろっきょくいっそうびょうぶ)」と呼びます。

中でも、「本間六曲屛風(ほんけんろっきょくびょうぶ)」は、高さは鴨居の高さと同じで、平たく広げた時に、畳2帖(2間)の幅をもつ大きなもので、屛風絵を描く下地として重宝されました。

現在では、住宅事情もあり、一般の家庭では見られなくなってきましたが、美術館で観る屛風絵の多くが本間六曲一双屛風に描かれていますし、結婚式場の金屛風など、まだまだ現役で活躍しているものも多いです。

四曲屛風【よんきょくびょうぶ】

4扇を1隻につないでいる屛風を「四曲屛風(よんきょくびょうぶ)」と言います。

元々、あまり作られる様式ではなかったうえに、江戸時代に、切腹する際に用いる屛風と定められたので、一般に用いられることがなくなってしまいました。

ただ、近年では、そういった縛りもなくなり、住宅事情にマッチするものとして見直されています。

二曲屛風【にきょくびょうぶ】

2扇を1隻につないでいる屛風を「二曲屛風(にきょくびょうぶ)」と言います。

この様式は戦国時代に生まれ、今日まで、もっとも広く普及している様式です。

風炉先屛風【ふろさきびょうぶ】

茶の湯において、四畳半または六畳以上の広間での点前の際に、道具畳の向こう側に置く二曲屛風を「風炉先屛風(ふろさきびょうぶ)」と言います。

場を引き締め、茶道具を引き立て保護する目的で使われるとされていますが、広間の襖や障子を風炉の熱から保護する働きもあり、使用される広間に合わせて作られます。

幅は畳の大きさによって決まりますが、高さや素材に関しては、各流派や茶人の好みにより様々な様式があります。

枕屛風【まくらびょうぶ】

枕屛風(まくらびょうぶ)」は、文字通り枕元に立てる背の低い二曲屛風で、隙間風を防ぐ防寒効果があります。また部屋の隅に畳んで置いた寝具の目隠しにも用いられます。

特に決まった様式はなく、高さは50cm~75cm程度、幅は大きくても90cm程度の小さな屛風で、デザインも様々です。最近では本来の用途以外に、部屋のインテリアとしても好まれています。

その他

近年、屛風本来の使用目的である間仕切りや風除けを兼ねたインテリアとして、従来の様式にとらわれない発想の屛風も作られるようになってきました。

例えば、六曲を超える「多曲屛風」であったり、蝶番の特性を生かして両面を使えるようにした「両面屛風」、1扇ごとの大きさに変化を持たせて部屋のインテリアとして魅せる「変形屛風」など、様々な発想で、新しい屛風が生まれています。

もちろん、時代とともに淘汰されてゆくものもあるでしょうが、伝統の技を残しつつ、新しいものに挑戦して行く分野として屛風の可能性はまだまだ大きいのではないでしょうか。